応用物理実験
応用化学課程 (H31 前期・月曜日実施)   last updated 1 April, 2019

0. 休講情報等
現在のところ休講予定なし

1. 基本情報
配当年次 2回生
配当学域・課程 工学域・応用化学課程
開講曜日・コマ 月曜日・III-IVコマ (12:55~16:05)
教室 4月8日 : B3棟 116号室 (この教室ではガイダンスのみ実施)
4月15日以降 : B8棟 102~110号室 (応用物理実験室1~7) (ガイダンスの教室と異なるので注意のこと)

2. 担当教員
担当教員名 三村功次郎 (岩住俊明,田口幸広,安齋太陽)
連絡先 居室:B9-109号室

Tel: 072-254-9367 (ダイヤルイン), 4959 (学内内線)

E-mail:
Office Hour 時間:火曜日16:00~18:00, 場所:B8-109号室
 (メール等であらかじめ連絡をいれること)

3. 授業目標

物理学の原理に関する理解を深め,物理工学研究に用いられる基礎的実験テクニックを習得する。実験結果の処理方法や考察等,実験報告書作成に関する実践的な処方も同時に身につける。 後述する個々の実験テーマにおける原理の理解や技術の習得以外に,授業全体を通して以下の能力を身につけることを達成目標とする。
 1. 実験開始前に実験内容を理解し,作業の実施手順を考えておく等,しっかり準備をした上で実験に臨むことができる。
 2. 実験中は共同実験者と協力して作業を分担し,意見交換を行いながら進めることができる。
 3. 実験終了後にも実施内容を確認できるよう実験ノートを記録することができる。
 4. 測定値の精度を最大限活用し,正しく有効数字を取り扱うことができる。
 5. 文献値と比較できる実験結果がある場合には,誤差を評価,検討できる。
 6. 見やすく丁寧で正確なグラフを描くことができる。
 7. 他の人に読んでもらうことを第一に考えつつ,一般的な作成ルールに従ってレポートをまとめることできる。
 8. 読む人に自分の考えを理解してもらえるよう,論理的,具体的に考察を記述することができる。


4. 教科書
大阪府立大学工学域編「応用物理実験」

5. 配付資料
4月8日 配付シラバス

6. 参考書

・1年次に使用した「物理学実験」(学術図書出版社)
・個別の実験テーマに関する参考文献はテキスト該当部分の章末に記載
・「実験実習における安全のための手引き」(大阪府立大学大学院工学研究科災害予防委員会編)第2章2.1節
・「アカデミック・ライティング入門編:レポートの書き方」(大阪府立大学「アカデミック・ライティング入門編」編集委員会)


7. 関連科目
物理学実験 (単位取得していなければ,応用物理実験への申請は認められない)

8. 授業の概要 (予定) (注:グループによって週毎の実験テーマが異なることに気をつけよ)
 
下の表を例に説明する
 
A, B, C ... は実験グループを示す (1グループは2~3人)
 
・各実験グループは右欄の 1, 2, 3 ... の順で実験を進めていく
 
・装置 1, 2, 3 は各実験で使用する装置番号を示す
ex). 下の表において A~H グループは常に装置 1 を使用することになる



各実験テーマの概要

放射線計測
 (教科書 p. 10 ~ p. 25, および参考書)

ガイガー・ミュラー計数管の特性を把握した上で計数装置の分解時間τを評価し,鉛の全吸収係数μを測定する。

コンピュータを用いた金属の熱分析
 (教科書 p. 26 ~ p. 38, および参考書)

自動計測システムを利用してSn純金属の冷却曲線を測定し,Snの融点を求める。同様にしてPb-Sn合金の初晶温度,共晶温度を測定し,混晶割合を推定する。

X線回折
 (教科書 p. 39 ~ p. 48, および参考書)

X線を用いてSi, Ge結晶の隣接原子面間隔とそのミラー指数を求める。

真空蒸着
 (教科書 p. 49 ~ p. 59, および参考書)

高真空技術を習得するため真空装置の排気を行い,アルミニウムの蒸着膜をガラス基板上に作成する。真空と蒸着について考察し,アルミニウム蒸着膜の厚さを近似的に評価する。

レーザーによる光の干渉回折
 (教科書 p. 60 ~ p. 74, および参考書)

透過回折格子を用いてHe-Neレーザーの発振波長を測定する。メッシュおよびスリットによるレーザー光の回折パターンから,メッシュ間隔およびスリット幅を測定する。

電気伝導
 (教科書 p. 75 ~ p. 89, および参考書)

半導体の抵抗率とホール係数を求め,電気伝導の概念を把握する。

発光分光分析
 (教科書 p. 90 ~ p. 99, および参考書)

銅の発光スペクトルを観測し,主な輝線の波長を求める。 さらに,炭素,銅,アルミニウム,亜鉛および成分が未知の合金2種の発光スペクトルを撮影し,解析より合金の成分を推定する。

水の粘性
 (教科書 p. 100 ~ p. 110, および参考書)

円盤の回転振動を観察することによって水の粘性係数を求める。


9. 授業時間外の学習 (準備学習等) について

授業目標1にも掲げたが,実験を行う前に内容を理解・把握しておくか,していないでは,実験の成功率や実験にかかる時間が大きく違ってくる。
よって,実験を行う前に必ずテキストの該当部分をよく読み,何を調べるためにどのような手順で実験を進めていくか把握しておく習慣をつけるように心掛けよ。可能ならば,測定/観察結果の記録として実験中に必要となる予想される表などを予め用意しくこと。
実験終了後は,指示に従って計算して終わりとするのではなく,実験目的や測定精度に適った結果が得られているかどうか検討すること。当初の予測から外れている場合はその原因について考察すること。積極的に他の文献や資料を考察の参考とするのは問題ないが,それらの内容を理解した上で引用すること。


10. レポート作成時の注意事項
レポートはA4を使用して作成し,緑色の表紙 (生協で購入可) で綴じて提出すること
表紙右上には4マスの空欄があるので,下図のように「学科」「グループ」「装置番号」を必ず記入すること
 
  

* その他,レポート作成に関わる注意事項は,TEXT p.5~ を参照のこと

11. 成績評価

授業目標の達成目標1〜9および個別実験テーマの目標の達成度で成績評価を行う。
全授業への参加および全レポートの提出を原則とする。
成績は「全レポートの平均点」x「平常点」 で評価する。
平常点は,実験の予習状況,実験態度,出席状況などを総合的に判断する。
合格となるため目安は,やむを得ない場合を除いた欠席が3回の場合レポート平均点75点以上である。



もどる